5人に1人がかかる!?エナメル質形成不全

こんにちは。院長の浜中です。

秋はお月見シーズン!9月は1年で最も美しいと言われる、「中秋の名月」も空に昇ります。月を眺めながらお団子をいただくというのも、なかなか風情がありますよね。

さて、夜空に輝く月は美しいものですが、歯も白く輝いていると口もとが美しく見えませんか?歯が白く見えるのは、エナメル質という組織があるからです。しかし、このエナメル質が正常に形成されない事があります。

エナメル質の役割

歯はエナメル質・象牙質・セメント質という3つの層からできています。そのうちエナメル質は人間の体の中で最も硬い組織です。歯の一番外側にあり、熱いものや冷たいもの、酸性の食品などが敏感な象牙質に触れないように刺激やむし歯から歯を守っています。歯に白い輝きを生み出しているのも、このエナメル質のおかげです。

そんなエナメル質が「もろく」なる?

ところが、大事なエナメル質が不完全な状態で歯が生えてくることがあります。歯の表面にボソボソとした「白いまだら」が生じたり、むし歯でもないのに、歯の一部が茶色や黄色に変色したりしていた場合は、『エナメル質形成不全』の疑いがあります。また、重度の場合は歯の表面がデコボコしたり、歯を覆うエナメル質が無いため、象牙質がむき出しになったりしてしまいます。

しかも、エナメル質形成不全の症状がある歯は見た目の変化だけでなく、通常の歯よりもむし歯になりやすいという特徴もあります。エナメル質形成不全の発症しやすい箇所は奥歯(第一大臼歯)と前歯です。特に奥歯は汚れが溜まりやすく、むし歯になりやすいため十分注意が必要です。

子どもの5人に1人が発症!?

日本小児歯科学会が7歳から9歳の児童を対象に行った調査によると、地域差はあるもののおよそ5人に1人がエナメル質形成不全という結果が出ています。エナメル質形成不全は決して珍しいものではなく、思いのほか、高い頻度でかかり得る疾患なのです。

しかも、乳歯の場合、もともとエナメル質が薄く、むし歯になりやすいのですが、エナメル質形成不全の歯がむし歯になってしまうとあっという間に歯の神経まで進行してしまうため、より一層注意が必要になります。

乳幼児検診や学校の歯科検診でエナメル質形成不全と診断されることもあるかもしれませんが、その場合は必ず定期的に歯科に通いチェックをしてもらうことが重要です。そして、日頃からしっかりセルフケアもおこない、お子さまの大切な歯を守っていきましょう。

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