矯正歯科治療法には1本から数本の歯を動かす部分的な矯正と全ての歯を動かす本格的な矯正があります。
例えば、八重歯が一本あるとしましょう。目立つのはその八重歯だけですが、実際には色々な問題を抱えています。歯と顎の大きさのアンバランスや、上下の歯の咬み合わせ、顔の中心と歯の中心があっているかどうか等解決すべき問題点がたくさんあります。歯並びを治す上で、これらの問題点を解決するためにはどうしても部分的な矯正では難しいことが多く、全ての歯を動かす本格的な矯正が必要な場合が多くなります。
おおむね歯並びを治すためには本格的な矯正が必要となりますが、部分的な矯正で治療可能な場合もあります。以下の条件がそろっている場合は部分的な矯正で治療可能です。
◇歯と顎の大きさの調和がとれていること。
◇上顎と下顎の調和がとれていること。
◇下の歯ならびは悪くなく、上だけが悪い場合。
本格的な矯正の下準備のためや、補綴処置(ブリッヂや入れ歯)の前処置として部分的な矯正を行う場合もあります。例えば、次のような場合です。
◇顎の健康な発育を妨げる要素を取り除くため
◇歯みがきをしやすいようにして虫歯や歯茎の
病気を防ぐため
◇本格的な矯正歯科治療をしやすくしたり、治療期間
を短くするため |
全ての歯を動かす本格的な矯正は、6才臼歯(第一大臼歯)の一つ後の歯で、第二大臼歯が出てきてから始めた方がよいと考えています。この歯は平均すると12-13才(中学1-2年)で出てきますが、遅いと高校生になってから出てくることもあります。
また、全ての乳歯が抜けてからでも、この第二大臼歯は2-3年しないと出てこないことがあります。ですから乳歯が全部抜けたからといって本格的な矯正を始めると、第二大臼歯の生えるのが遅い場合、治療期間が大幅に延びるか第二大臼歯が生える前に装置をはずすことになります。装置をはずしてから第二大臼歯がうまく生えれば良いのですが、うまく生えないともう一度並べ直しをしないといけなくなります。第二大臼歯は、歯並びの中でいちばん奥の方にありこの歯の咬み合わせが悪いと、顎の関節に負担をかけることがありますので、ないがしろにできない注意すべき歯です。
さらに、別の問題として第三大臼歯(親しらず)の問題があります。第三大臼歯はうまく生えないことが多く、第二大臼歯にひっかかったり、水平になりいつまでたっても出てこないことがあります。また生えてくるときの圧力で矯正歯科治療後の後戻りの原因となることもあります。当院では、第三大臼歯がうまく生えてきているかどうか経過観察を行い、保定装置をはずす時期を決めております。時期としては、高校卒業後となることが多いです。中学生ぐらいにすべての矯正歯科治療を終了してしまうと、第三大臼歯の経過を見ることができません。こういったことを考慮して当院では、第二大臼歯が萌出してから本格的な矯正を始めるようにしています。
なお、患者さんの多くは受験をひかえていますので、受験期に治療を開始することは避けています。その他、顎の成長のピークが過ぎてから始めた方がよいケース(骨格的な下顎前突症、奥歯のスペースを必要とする症例)の場合は、早くても高校生になってからになります。
本格的な矯正は歯と歯ぐきが健康であればいつでもできますので永久歯が生え揃ったからといってすぐに始めないとできないものではありません。大人になってからでも十分治療できますから、ご安心ください。 |
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